こどもが美術に学ぶメリットは?
そんな疑問に、元美術講師のmaki(@artstudiomana)がお答えしたいと思います。

幼少期からアートにふれるといろんな効果があります。
- 心のフィルター(感性)が磨かれる
- 0を1にする、1を10にする力が養われる
- 考え続ける力が身に付く
- いろんな視点に立つことができる
- 他者を認められるようになる
目次
① 心のフィルター(感性)が磨かれる
心のフィルターとは、感性みたいなもの。
たとえば、みんなで同じ風景を見て描いても、同じ絵は1つとして存在しません。
それは、その人の心の「フィルター」を通して表現されるからです。
ときめくものに触れたり、いろんな色彩に囲まれることは、きっと心の養分になるでしょう。
その蓄えた養分は、窓ガラスを磨いたときのようにフィルターをクリアにしてくれて、表現に生かされていきます。
② 0を1にする、1を10にする力が養われる
ものづくりをすることで、無から生み出す力が身に付きます。
0を1にすることは、誰にでもできることではありません。
アートに触れていくことで、ひらめきやイメージを形にすることができるでしょう。
また、工夫しながら完成度を上げていく過程では、1から10にしていく体験をします。
ものづくりは生み出して終わりではなく、ブラッシュアップしていくことが自然に求められます。
さらに、グループ(共同)制作では10から100に拡大させることもできます。
みんなで1つの作品を作り上げる経験は、大人になっても生かされるでしょう。
③ 考え続ける力が身に付く
ものづくりをしていくと、必然的にああでもない、こうでもないと試行錯誤をします。
最初からイメージ通りになることもありますが、修正をくりかえしながら完成へと近づけていくことがほとんど。
どうしたら、イメージに近づけられるかな?
と、手を動かしながら試行錯誤していくことで、自然に考える力が身についていくでしょう。
④ いろんな視点に立つことができる
絵を描くことで、ひとつの視点だけでなく、いろいろな角度から物事を捉えられるようになります。
たとえば、デッサンをするときには、さまざまな方向からモチーフ(対象物)を観察します。
正面だけでなく、裏側の構造もしっかり理解して、はじめて絵を描くことができます。
また、構図を切り取るときも、さまざまな角度から捉えようとします。
このようにデッサンでは、多視点の重要性を経験することができるでしょう。
⑤ 他者を認められるようになる
アートで人を認められるようになる?と不思議に思った方もいるかもしれません。
たとえば、同じ課題を出しても、できあがる作品はそれぞれ違います。
トゲトゲな作品や、ピンクがいっぱいの作品、素材を生かした作品、虹色の作品…。
お友達と作品を見せ合いっこをすることで、こういう考えもあるんだ!と他者を理解しようとする心が生まれます。
学校のテストには点数がありますが、表現は自由な世界。
できあがった作品は、すべてが素晴らしいのです。
これからの多様性の時代では、いろんな人の立場になって考えられる力が求められるでしょう。
アートに触れることで、「みんな違ってみんないい」by金子みすゞ を体感することができます。
まとめ
- 心のフィルター(感性)が磨かれる
- 0を1にする、1を10にする力が養われる
- 考え続ける力が身に付く
- いろんな視点に立つことができる
- 他者を認められるようになる
ちいさな頃からアートにふれることで、たくさんのメリットがあります。
学校の勉強では補えない心が豊かになる体験を、美術を通して学んでいくでしょう。
美術教室はもちろん、ご家庭でもお絵かきや工作をやっていくと嬉しいことがたくさんあります。
美術館にも足を運んでみるのもいいかもしれません。
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